この記事は、11/8 に公開した 「KIQS(キックス)」についての解説記事です。
KIQSは公開初日にSNSで話題になり、初日だけで約300件ダウンロードされました。早速、スタートアップから「KIQSを利用してストックオプションを導入予定です」という声も届きはじめています。
「なぜ KIQS をつくったのか?」にはじまり、「なぜこんな設計にしたのか」「日本でストックオプションが使いづらい要因」「KIQSに寄せられた反応」などの解説もしています。ぜひ最後まで読んでね。
KIQSとは?
KIQSは、Nstock社が無償でメンテナンスを行い、公開している「税制適格ストックオプション」の契約書ひな型キットです。税制適格ストックオプションの発行に必要な契約書、新株予約権原簿、登記書類のひな型が含まれています。全て弁護士や税理士によるリーガルチェック済みで、M&Aや退職者の取り扱いもスタートアップ業界のトレンドにあわせて考慮されています。
KIQSを利用することで、思わぬミスで税制 “非” 適格扱いになってしまうリスクを減らし、リーガルチェックの工数や費用を抑えることができます。また、従来の税制適格ストックオプションの契約書ひな型をゼロベースで見直し、スタートアップでの活用アイデアや実務に役立つ工夫を取り入れています。
なぜ KIQS をつくったのか?
プロジェクトに関わったメンバー2人のコメントを紹介します。
宮田:SmartHRというスタートアップを経営して、実際に多くの社員にストックオプションを配り、会社が成長していく過程を通して、日本のストックオプションのあり方に大きな疑問を抱くようになりました。
ストックオプションは「株式報酬」の1つです。しかし、国内スタートアップでは「報酬として機能している」とは言い難い状況があります。自分の年収を把握していない人っていないと思うんですが、これがストックオプションとなると、付与されているストックオプションの価値や、その行使条件を把握していない人が残念ながら多数派です。
法律やリテラシーの問題もありますが、ストックオプションを配る「スタートアップ側の慣習に起因するもの」も少なくありません。別の言い方をすれば、スタートアップだけの力で変えられることが多くあります。
私自身、ネットで拾った、昔ながらの「よくある税制適格ストックオプションのひな型」をSmartHR初期に使い、少なからず後悔している点があります。スタートアップの慣習を変えるには、KIQSのような新しい業界標準となり得る契約書ひな型が必要だと考えました。
野瀬:スタートアップ業界って情報発信が非常に活発ですが、株式報酬に関してはベストプラクティスや活用ノウハウの共有が十分に進んでいないなと感じていました。
ググれば情報はたくさん出てくるけれど、どれが正しい情報で、何を考慮して設計すれば従業員のエンゲージメント向上や採用の武器に繋がるような制度になるのかが判断できず、貴重な時間やお金を費やしている経営者が多かったように思います。
株式報酬の設計は不可逆性の強いものなので、スタートが肝心です。これまで散在していた「これいいよね」というアイデアを集め、きちんと弁護士や税理士のレビューを受けたものを模範解答“例”として提示するーそうすればスタートラインを見失ったり、間違ったスタートラインに立つ人が減るんじゃないかと思っています。それがKIQSを作った理由です。
KIQS はどのようにつくられたのか?
最初に、Nstockの野瀬が草案をつくりました。野瀬は、前職のメルカリでは株式報酬の責任者をしており、これまでにストックオプションをはじめとする株式報酬を日米英の社員に向けて40回ほど発行してきた人です。ストックオプションに関する専門知識やオペレーションを熟知しています。
彼女が作成した草案を、Nstockの社内関係者と、協力者であるCoral Capital 澤山さんで内容を協議・最終化し、日本の株式報酬制度に精通している山下総合法律事務の山下先生及び桑原先生に実際のひな型を作成いただきました。税制適格ストックオプションに欠かせないタックスレビューは、辻・本郷税理士法人の小尾太志先生にお願いしています。
KIQSの攻めた内容を解説!
KIQSには、国内スタートアップにおける従来の慣習を大きく覆す内容や、後になって「入れておいてよかった」と思える事務局フレンドリーな工夫が反映されています。
今回は、特筆すべき4つのポイントを解説します。
【1】退職時の取り扱いが選べる
退職時のストックオプション失権については、日本では長らく「慣習」として見直されてきませんでした。どれだけ長く会社に貢献しても、行使条件が充足する前に退職すればゼロになるというものです。多くの場合、退職時に満たされていない条件は「IPO条件」です。残念ながら、IPO前に個人株主が増えることによる会社のリスク・コスト増加、国内の有力なセカンダリーマーケットの不在、税制適格要件の1つである保管委託要件を充足するハードルの高さ等を総合的に勘案した結果、今回KIQSからIPO条件を外すことはできませんでした。
ただし、退職時にIPO条件が満たされていなかったとしても、その後会社がIPOした際に退職者として権利行使を行うことは可能です。KIQSでは、後述のべスティング条件と組み合わせて、入社してから退職するまでに会社に貢献した分のリターンはきちんと得られる設計になっています。これにより、会社側にはただIPOを待つだけのエンゲージメントが低い従業員を減らせるメリットが、従業員側には会社のフェーズやIPOタイミングに縛られずに自由にキャリア選択を行えるというメリットが生まれます。スタートアップ全体で見ても、人材の流動化という観点でエコシステムの発展に大きな意味を持つものです。
KIQSでは、退職時に権利確定したストックオプションの持ち出しを認めるかどうかについては会社の選択事項としています。例えば、PMF前に発行するストックオプションについては、今後ピボットの可能性があるので持ち出し不可とする(PMF後のストックオプションは持ち出し可とする)、といった判断ができるかと思います。
【2】オペレーションが楽になる様々な工夫
会社法に基づく発行手続き、税制適格ストックオプションの諸要件の充足、契約締結、登記…といった「法的にマスト」な仕事に手一杯になってしまい、その後のオペレーションのことまで考えてストックオプションの設計を行うケースはレアではないでしょうか。
KIQSには、ストックオプションにまつわる煩雑なオペレーションを楽にするアイデアがいくつも反映されています。
1)枠取り
会社法239条に基づき、株主総会の決議で一定のストックオプションの上限数(「枠」)を定め、その範囲内で取締役会がストックオプションの発行を行えるようにすることを実務上「枠取り」といいます。「枠」は株主総会決議日から1年間有効なので、行使価格等その他のストックオプションの内容が変わらない限り、一度株主総会で「枠」を取れば、1年間は取締役会が機動的にストックオプションを発行することが可能になります。KIQSのひな型はこの「枠取り」を前提とした設計になっています。
2)行使受付期間の指定
行使条件が充足したストックオプションの権利行使は、法的には365日(会社の営業日であれば)可能です。特に権利者である従業員の数が多い場合、バラバラと申請がくるたびに書類や入金をチェックしていては他の業務に手が回りません。KIQSでは、事務局が行使申請の受付期間を指定することで、行使受付→内容確認→承認のオペレーションを効率的に回すことが可能になります。例えば、実務上、毎月1~10日を行使申請の受付期間、11~15日を事務局の確認期間、20日を行使承認日、のような月次スケジュールを予め組んでおくことも一つの効率的な方法です。
3)失権時の放棄同意書
退職時のストックオプションの持ち出しを認めた場合、退職時に持ち出しができる権利確定分と失権対象となる権利未確定分が混在するケースが想定されます。例えば、100個のうち、25個は持ち出し可能で75個は失権するようなケースです。「全部持っていけると思った」「思っていた個数と違った」のようなトラブルを避けるためにも、退職時に会社と従業員の間で認識を合わせておくことが重要です。KIQSでは、退職時に放棄同意書を提出してもらうことで、ストックオプションに関するミスコミュニケーションを防ぐことができます。また、放棄同意書を根拠として失権の登記が行えるので、取締役会が必要な会社取得→消却→登記、の手間を省くことができます。
【3】ベスティング条件
べスティング条件とは、付与したストックオプションが段階的に行使可能になる条件のことをいいますが、税制適格ストックオプションで求められる要件ではありません。そのため、べスティング条件を付けない場合、行使要件である付与決議後2年を経過すると、一斉に行使が行われ、退職者が大量に出てしまうという問題が起こっていました。最近では、スタートアップでもべスティング条件を付けているストックオプションを多く見かけるようになり、一定のリテンション効果は出ているものと思います。
一方で、べスティング条件の起算日については、なぜか日本の場合「IPO」となっている契約書が多いのです。ストックオプションは会社に貢献することへの対価であるので、IPOではなく入社日や業務開始日を起点と捉えるのが自然です。株式報酬の先進国である米国では、ストックオプションのべスティング起算日は当然入社日となっています。
「でもリテンション観点で考えれば、IPOを起算日にした方が行使までの期間が伸びるので良いのでは?」という声もあるかと思います。会社視点では確かにそうですが、従業員視点で見たとき、経営マターであるIPOのタイミングに左右されるストックオプションをもらって、本当に会社へのコミットメントに繋がるでしょうか?株式報酬は、それをもらう従業員のエンゲージメントに繋がってはじめて価値を発揮するものです。時期を明言できないIPOを基準としたストックオプションは、ともすれば「価値を感じない」「とにかく早くIPOして欲しい」といった声に繋がりかねません。
KIQSでは、入社日を起算日とした25%x4年間のべスティングをデフォルトで設定しています。税制適格ストックオプションの要件により、付与決議後2年間は行使ができないため、実質2年間のクリフ(最初のストックオプションが行使できるまでの期間)が存在することになります。「25%x4年」については、役職や業態によって自由に調整いただくことが可能です。また、原則として休職期間中はべスティングが停止する設計にしていますが、産休・育休・傷病による休職については、その対象外としています。
【4】M&A 時の取り扱い
先日公表された今年度の税制改正案には、大企業がスタートアップをM&Aした際に取得価額の25%を課税所得から控除できる優遇措置案が含まれています。スタートアップにとって厳しい市況が続く中、M&Aの数やM&A時におけるストックオプションのケアの重要性は今後増していくものと思われます。
そうした状況を踏まえ、今回KIQSでは、一定のハードルをクリアすることを前提に、M&A時にストックオプションを行使し株式を売却した場合、税制適格が維持できる設計にしています(M&A時の行使を認めるかどうかについては会社が選択できます)。
クリアすべき1つ目のハードルは、保管委託要件の充足です。保管委託要件の詳細については後述しますが、未上場のスタートアップがこの要件を満たすためには、今のところ株券発行会社へ移行したうえで株券を管理してくれる証券会社を見つけるしか方法がありません。2つ目のハードルは、M&A時の交渉です。これは税制適格ストックオプションの要件とは関係なく、M&A時にストックオプション行使後の株式を含めた売却を交渉できるか?というものです。なお、言うまでもなく、保管委託要件以外のすべての税制適格ストックオプションの要件(例えば、付与決議日から2年経過している等)の充足も求められます。
以上のように、実務的な株券発行や管理先の証券会社の問題に加え、M&A時の交渉も必要になってくるので、実現可能性については不確実な部分が残ります。そのため、すべてのスタートアップに受け入れられる内容ではないかもしれません。ただ、せっかく素晴らしいM&Aが行われたとしても、ストックオプションがすべて非適格になり、がんばってきた従業員が泣きを見る・・・なんてことのないように、このM&A時のハードルに挑戦するスタートアップが出てきたらいいなと思っています。
保管委託要件については、次の章でもう少し詳細に触れたいと思います。
日本のSOが使いづらい要因の1つ「保管委託要件」とは?
ぜひ国に見直しをお願いしたい税制適格ストックオプションの要件の1つに「保管委託要件」というものがあります。簡単に言うと、税制適格ストックオプションを行使した後の株式は、事前に会社が契約した証券会社で管理してもらう必要があるよ、というものです。上場後の行使であれば、株式の情報は「ほふり」を通じて株主名簿管理人や証券会社でデータ管理されますが、「ほふり」が使えない未上場段階で行使する場合、行使後の株式が誰のものであるかを正しく管理するのが難しいという問題があります。
リアルな株券を発行し、それを証券会社に預かってもらう、という手続きをとればできないこともないのですが、今やほとんどの会社は株券不発行会社です。ストックオプション行使のために株主総会を招集・開催して、株券発行会社に移行し、証券会社に物理的な株券の保管をお願いする必要があるのです。株券の保管を受け入れてくれる証券会社が必ず見つかるとも限りません。そんな手間とコストをかけないと、未上場の段階では税制適格を維持したままストックオプションを行使することができないのが現状です。
大企業によるスタートアップのM&A増加や、将来的なセカンダリーマーケットの整備に伴い、今後ますます未上場段階での行使ニーズは高まっていくはずです。せっかく税制適格として付与したストックオプションが、保管委託要件のせいで税制非適格になってしまうのは会社にとっても従業員にとっても残念なことです。
Nstockでは、この要件の見直しに向け、積極的に国や政府関係者に働きかけていくつもりです。
KIQS への反応を紹介
KIQSには攻めた内容も含まれるので、公開当日は私たちもドキドキしながらSNSでの反応を見ていました。しかし、SNSでの反応はポジティブな内容がほとんどで、少しホッとしています。
VC勉強会について
KIQS公開後のVCの人たちの反応を見て「ストックオプションの契約には、VCの理解が必須に思える。シード〜アーリー期は特に。キャピタリスト+投資先向けの勉強会をしたらニーズがあるのでは?」という声が社内であがりました。
Twitterに「VCの皆さん “KIQSの理解を深める勉強会” ってニーズありますでしょうか??」とツイートしたところ、リプライやDMで20件近い「勉強会やって欲しい!」というリアクションをいただきました。
直近ではリソース不足で開催が難しそうですが、近々マーケの担当者さんが採用できる予定なので、本当に採用できたらVCの皆さん + 投資先スタートアップ向けの勉強会を開催しようと思います。
うれしい反応
SNSでのうれしい反響を3つだけ紹介させてください。
1/n おおすごい!中身はまだ見てないけどインパクトは大きそうです。
— 五十嵐将志 |弁護士|VC&スタートアップ法務 |リーガルテック起業|事業承継relay| (@masashiigarashi) November 8, 2022
MA時の取り扱いなどは特に会社によって違いがあったところですが、没収されない形でデザインされた雛形が世に出回ることで没収する形でのSOはこれから減っていくかも。渡す側も安易に没収型にはしづらくなると思います。 https://t.co/MXRfgbmjtx
前述の通り、M&Aについては実現には少しハードルがありますが、「退職時に失効しない」や「入社日を起算日としたべスティング条件」はKIQSを使うことで、すぐにでも実現できます。
これらをいち早く取り入れることは、スタートアップ各社の採用力強化につながります。徐々に取り入れるスタートアップが増え、業界の慣習が変わっていくことを期待しています。
良い動きだなぁ。J-KISSが出てから、J-KISSという単語を知らないと資本政策ディスカッションが成立しなくなったように感じてるけど、今後は「KIQSで税制適格SOやってます」と日常的に資本政策の会話の中で言われる未来が見える。中身ちゃんと見てユーザー視点でnote書きたい
— 松田光希 / Mitsuki Matsuda (@Mitsuki_2nd) November 8, 2022
https://t.co/05TW3ovMsM
J-KISSのような、業界のデファクトスタンダードになることを目指してつくりました。資本政策の会話にとどまらず、採用活動においても「うちのストックオプションはKIQSをつかっています」と言われることを期待しています。
ゼヒトモでもシリコンバレーのSO制度のベストプラクティス再現に努めてきたが、日本国内で可能な範囲で実施するには、クリエイティブになる必要があった。NstockとCoralがタッグを組んで、スタートアップ創業者が使える、テンプレートとスタートポイントを作ってくれてます📝とても便利で嬉しい😊
— Jordan Fisher | Zehitomo代表取締役会長 (@Jordan_J_Fisher) November 8, 2022
 https://t.co/UzfUPXD7CI
まさに!
スタートアップ各社で苦労せずとも、KIQSを活用することで、シリコンバレーのようなストックオプションのベストプラクティスを再現できるようにしたい。別の言い方をすれば、車輪の再発明を防ぐためのひな型です。
株式報酬を「報酬」として機能させる
冒頭にも書きましたが、KIQSを公開した狙いの1つに「株式報酬を報酬としてきちんと機能させる」があります。
KIQSをJ-KISSのように普及させることができれば、業界の慣習が変わり、「退職で失効しない」「M&Aで没収されず、税制適格のまま行使・売却できる」「権利確定が会社都合のイベント(IPOやM&A)に左右されない」という条件がスタンダードになり、報酬としての魅力は確実に上がると思います。
スタートアップに業界外から優秀な人材の流入が増えるのはもちろんのこと、レイターステージのスタートアップから“ストックオプション待ち”の社員が減り、急成長スタートアップを経験した社員たちの起業や、より若いフェーズのスタートアップで2回目のチャレンジも増える & 早期化すると思います。
加えて、スタートアップ業界での女性活躍にもつながると思っています。「退職すると失効」「べスティングがIPO起算」のストックオプションでは、ライフステージにあわずに数年在籍しても紙くずになってしまう懸念が存在しています。SmartHR社員に対して実施したアンケートでも、残念ながら女性社員からのストックオプションに対する関心の薄さが見て取れました。
また、いま KIQS を導入していることはスタートアップにとって採用の武器になると思います。
先日も、とあるスタートアップから「KIQSを使ってストックオプションの導入を検討している。KIQS でストックオプションを配っているよと言えると採用のアピールになりそう。必要であれば事例記事など協力します。」という趣旨のコメントをいただきました。
私たちも何かしらの方法で宣伝に協力したいので、KIQSを導入したスタートアップの皆様はお気軽にご連絡ください。
今後もアップデートしていくからよろしくね
KIQSは、法令のアップデートやスタートアップを取り巻く環境の変化に合わせ、今後も適宜アップデートを行う予定です。岸田首相が掲げる「スタートアップ育成5ヶ年計画」を後押しに、税制適格ストックオプションの使い勝手は今後数年で大きく改善されることが期待されています。
つい先日も、行使期間の延長(10年→15年)が今年の税制改正案に正式に織り込まれるという嬉しいニュースがありました。保管委託要件の見直しや年間の行使上限の引き上げについても、政府関係者とスタートアップの間で活発に議論が交わされているところです。うまくいけば、さっそく来年の春頃にKIQSの改訂版がお披露目されるかもしれません。お見逃しなく!
また、法令改正以外にも、働き方の多様化やスタートアップ業界のトレンドに合わせたアップデートも積極的に行います。ストックオプションに関して「こういうアイデアもあるよ」とか、KIQSの「この辺が使いにくいな」といった声があればぜひお気軽にご連絡ください。ストックオプションのデファクトスタンダードを目指し、スタートアップで働くみなさんと一緒にKIQSを作り上げていきたいと考えています。
KIQS | スタートアップのための「税制適格ストックオプション」契約書ひな型キット